2021.01.24 12:12
- #映画まとめ
2020.12.11 10:10
COVID-19により、映画館は休館を余儀なくされ、公開予定だった多くの映画はストリーミング配信を選択した。映画館の経営は、現在も危機的な状況が続いている。
しかし、映画館でしか味わえない感動は、間違いなく存在している。
大画面のスクリーンと迫力の音響設備。誰にも邪魔されることなく映画だけに没頭できる環境は、映画というメディアの魅力を最大限に引き出す役割を担う。
映画館は、自宅では決して体験できない価値を追求し続けている。今日は、そんな最先端のシアターを構築する、IMAXシアターとドルビーシネマの魅力を紹介する。どちらのシアターを選べば良いのかについても、筆者の視点から紹介したい。
映像、音響、空間、作品。 映画を構成する4つの要素を極めた先進の上映システム。
IMAXシアターは、カナダのIMAX社が開発した映画館である。IMAX社の独自規格であるIMAXフォーマットは、通常の映画で使用されるフィルムよりも大きなサイズの映像を記録することができ、巨大なスクリーンを有するIMAXシアターにおいて、その魅力を最大限に引き出すことができる。
Photo by 109 cinemas
たとえば、昨今公開された『TENET』は、IMAXフォーマットにて撮影されている。まるで主人公と旅をともにするかのように、展開する映像に圧倒された人も多いだろう。
もちろん、IMAXフォーマットで撮影されていない映画でもDMRというIMAX独自のリマスタリング技術を用いることで、迫力の映像を楽しむことが可能だ。
Photo by 109 cinemas
前述の通り、IMAXシアターの最大の特徴は、超巨大なスクリーンである。2台のプロジェクターを同時に使用することで、大画面でも高解像度の映像を実現する。客席が通常よりもスクリーンに近くに設置されているのもポイントだ。視界を覆い尽くす驚異的な大画面は、まさに映画の世界に入り込んだような感覚をもたらしてくれるだろう。
さらに迫力のクリアサウンドは、どのシートに座っても理想的に聴こえるようにチューニングされている。通常のスピーカーよりも1オクターブ低い音域の再生を可能とした独自のスピーカーによる、腹に響く重低音は決して自宅では味わうことができない体験だ。
それは、映画に命を宿し、完全に映画に没入する究極のシネマ体験を実現する究極のシアター。
Dolby Cinema™(ドルビーシネマ)とは、ドルビーラボラトリーズが提唱するシアターの規格である。最高の映画館を実現するために、映像のドルビービジョン、音響のドルビーアトモスを採用し、さらにDolby社によって定められた劇場設計を満たすことが条件となっている。
ちなみにハリウッドには、世界最高峰で唯一の劇場であるドルビー・シアターがある。現在は旅行が難しい状況であるが、もしハリウッドに行く機会があれば是非足を運んでみてほしい。
Photo by Viator
最先端の光学・映像処理技術を採用したドルビービジョン プロジェクションシステムは、広色域で鮮明な色彩と幅広いコントラストを実現する。
映画館ではTVのスクリーンとは異なりプロジェクターで映像を投影している。そのため、深い黒の表現が非常に難しく、私たちが普段映画館で見ている「黒」は、実は「暗い灰色」であることをご存知だろうか。しかし、Dolby Visionは究極の漆黒を再現することができる。この「漆黒」と圧倒的に明るい光の表現によって、STARWARSの銀河系や、ブレードランナーの街のネオンなどの描写が、より鮮明に光り輝いて見えるのだ。その美しい映像に、息を呑むことは間違いないだろう。
Photo by CNET
そして、世界初のオブジェクトベースのオーディオ技術、ドルビーアトモスによる位置情報を与えられたサウンドは、あまりにも「リアル」な位置から観客に降り注ぐ。宇宙船の飛行音や、激しい雨や雷鳴を、まるで映画の世界に入り込んだかのように感じることができるのだ。まさに映画のサウンドを究極までアップデートしているといえるだろう。
どちらの映画館も、既存のシネマ体験を凌駕することは間違いない。しかし、せっかくプラスアルファのお金を支払うのであれば、鑑賞するコンテンツにより、最適な映画館を選びたいところだ。
個人の好みによるところも大きいが、ここでは筆者の私見を紹介する。
IMAX最大の特徴である巨大なスクリーンと重低音の表現は、まさに映画の世界に入り込んだような圧倒的な没入体験を得ることができる。これは、映画という枠を超えた新しいエンターテインメントであるとも言えるだう。
対してDolbyシネマの圧倒的な映像美と縦横無尽に駆け巡るサウンドは、映画の魅力を究極にまで引き出してくれる。
エンターテインメント性の高さと相性の良いアメコミ作品やアクション映画はIMAXシアターで観ると、よりエキサイティングな体験が味わえるだろう。対して、銀河を舞台にした作品や、美しい情景が魅力の映画は、ドルビーシネマで堪能するのがおすすめだ。
百聞は一見にしかず。実際にそれぞれの映画館に足を運んで見比べてみてほしい。
IMAXシアターは全国に36箇所ある。(2020年現在)
ちなみに日本で最大のスクリーンを有するIMAXシアターは「グランドシネマサンシャイン池袋」だ。その画面の大きさには驚かされること間違いなしだ。前方の席で見ると画面が見きれてしまうほどだ。
ドルビーシネマは、今のところ全国に7箇所しかない。最大の画面サイズを誇るシネマは「丸の内ピカデリー」にある。
プレミアムシネマは、既存の映画体験を凌駕する臨場感と感動を私たちに与えてくれる。 もし貴方にとって特別な映画を観る際は、映画館にもこだわってほしい。きっと、忘れられない体験になるはずだ。